こんにちは!草食系大家の中村ひろきです。
「アパート経営したいけど、土地を持ってる人しかできないの?」
読者様からこういった質問を数件いただいたので、今回は「土地なしアパート経営」の全体像をわかりやすくお伝えします。
- 銀行にお金を眠らせておくくらいなら資産運用したほうがマシ。
- 副業したいけど自分が働かなくても収入を得る仕組みを作りたい。
- 徐々に時間と場所に縛られないライフスタイルの基盤を築きたい。
これらに当てはまる方にとっては有益な内容だと思うので、ぜひ一読ください。

もくじ
そもそも土地なしでアパート経営はできるの?

いきなり結論から言えば、できます。むしろ土地がないほうが有利に進められます。
なぜなら空室が起こりにくいエリアを自ら選ぶことができるからなんですね。
ちょっと想像すればわかりますが、田舎の需要の少ない土地を親から譲り受けた場合なんて地獄ですよ。
そこにアパートを建てようにも、入居者を見つけることは至難の業ですから。
よって、今は土地を持っておらず、これから土地を探してアパートを建てたい人こそアパート経営者向きといえるのです。
かくいうぼくも岐阜と長野に中古戸建を所有していますが、土地を持っていたわけではありません。
先に述べた通り、賃貸需要のありそうなエリアを選んで土地と家を買い、不動産投資を始めたうちの一人です!
土地なしアパート経営はどんな人にオススメなのか?
ひとくちに不動産投資といってもいろんな種類がありますよね。
その中でも「土地なしアパート経営」に向いているのはどんな人でしょうか?
ここでは、必要な年収や金融資産など、おそらく必要になってくるであろう最低ラインを書いておきますね。
安定した企業に長年勤めている人

アパートを購入するとなれば、それなりに大きな資金が必要になります。
その資金をキャッシュで払える人はこのブログを読んでいないと思うので、必然的に金融機関から融資を受けることになります。
不動産投資用ローンを受けるために必要な最低ラインとして勤続3年以上という基準があります。
ローン概要説明書を見ると「ご返済期間中安定した収入が見込めるお客さま」などと書かれていますね。
つまり、勤続年数が少なかったり、自営業の方は、それだけで融資を受けるのが難しくなります。
逆を言えば、社内で優秀な営業成績がなくても、勤続さえしていれば銀行は信用してくれるというワケです。
年収や自己資金に余裕のある人

アパート経営ともなると、勤続年数に加えて年収ラインを厳しくみられます。
金融機関によっても異なりますが、ざっくりと年収500万以上、金融資産1,000万以上ないと厳しいです。
(金融資産とは「現金・預貯金・株・投資信託・不動産」などを指します。)
また、自宅を資産として計上してくれたり、配偶者の年収も合算してくれたり、基準は金融機関によって実に様々です。
よって、上記の年収や金融資産に満たなくても、融資してもらえる銀行を粘り強く探せば可能性はゼロではありません。
なお、ここもクリアできる方はアパート経営がかなり現実的になります。次に読み進めてください。
少ない物件で多くの家賃収入を得たい人

ぼくのような戸建や区分マンション投資の場合、そもそも家賃収入の額自体が少ないため、会社をリタイアできるだけの額を達成するには相当数の物件が必要になってしまいます。
その反面、アパート経営は月々のキャッシュフローが大きいので、少ない物件数で大きな利益を上げることができます。
調べてもらえれば分かりますが、セミリタイアして悠々自適な生活を送っている大家さんは、アパート経営者がほとんどです。
よって、セミリタイアレベルの家賃収入を得たい人にアパート経営は強くオススメできます。
反対に、お小遣い程度の副収入が得られればいいという人は、戸建や区分マンション投資がいいでしょう。
土地なしアパート経営のメリット・デメリット
どんな投資にも必ずメリットとデメリットは存在します。
都合のいいところばかり見て大きな決断をするのは危険なので、ここはぜひ読んでください。現実に引き戻します(笑)
メリットはズバリ儲かること
それでは、土地なしアパート経営のメリットのうち代表的な2点を挙げます。
- 賃貸需要の固いエリアを自分で選ぶことができる。
- 毎月の家賃収入ボリュームが大きく収益を上げやすい。
1つ目は、冒頭でお話しした通り自分でエリアを選べるという点ですね。
田舎のやっかいな土地を最初から所有している場合と比べたら断然ラクなので、むしろ土地は現段階で持ってないほうが有利です。
2つ目は、先ほど述べましたが毎月の家賃収入ボリュームが大きいという点。
例えば、ぼくの岐阜物件から得られる家賃収入は毎月55,000円。ローンの月々返済を差し引くと3万円ほどです。
仮に同じ物件を10軒買ったとして、月30万。これだけではとても会社をリタイアする気にはなりませんね(笑)
それに比べて、アパート経営は1つの物件で複数の入居者さんから家賃を受け取ることができます。
例えば、家賃4万円のワンルームが16部屋あるアパートを1棟持っていたらどうでしょう。
その1棟だけで月々の家賃収入は64万円です。銀行に月々の返済を払ってもおそらく40万前後は手元に残ります。
同レベルのアパートを3棟持っていれば、あっという間に月々の手残りは100万以上。
ぼくがアパート経営をやりたかった理由がわかりましたか?属性が高い人が本当に羨ましいんですよ・・・。
デメリットは一部の人しかできないこと

さぁ、土地なしアパート経営はいいことばかりではありません。もちろんデメリットもあります。
パッと思いつくのはこの3つですね。
- それなりに資金がかかる。
- 限られた高属性の人しかできない。
- 融資も物件探しも難易度が高すぎる。
アパートを買えなかったぼくからすると、とにかく第一に資金がかかりすぎるということです。
金融資産が1,000万以上ある人ならいいですが、おそらく当ブログの読者はなかなか厳しいですよね・・・。
ただ、海外リタイア組のほとんどが取り組んでるアパート経営は本当に素晴らしい投資なので、属性をクリアしている人はぜひ挑戦してほしいなぁと思います。
「年収500万以上or金融資産1,000万以上」というラインにギリギリ満たない人でも、金融機関や不動産業者とたくさんつながれば可能性がありますから、少々泥臭い行動と実践を覚悟してください(笑)
また、融資と物件探しが難しいのもアパート経営の特徴です。
またあとで解説しますが、今までゆるゆるだったアパート系の融資が徐々に引き締まりつつあります。
そのため、個人で銀行へ足を運んでもなかなか融資が下りないという声をたくさん聞くようになりました。
融資が下りないとなれば、徐々に物件相場は下がってくるのですが、そのタイミングで物件をかっさらっていくのは既に金融機関と太いパイプのある先輩投資家。
というわけで、新参者が手頃なアパートを自力でゲットできる可能性は限りなく低い現状があるのです。

土地なしアパート経営で知っておきたい2つのリスクとは?
投資にしろビジネスにしろ、リスクはどんなことにもついて回ります。
ここで大事なのは、あらゆるリスクに対して万全の準備を期しておくこと。
不動産投資のいいところは、あらゆるリスクに対する保全手段が整備されていることなのです。
1.金利上昇リスク
そもそもぼくがブログを立ち上げた理由の一つは、不動産が前代未聞の低金利バーゲンセール中だからです。
「今買わなきゃいつ買うんだよ!」という熱をできるだけ多くの人に伝えたかったんですね。
ただし、一度下がった金利は遅かれ早かれ必ず上がります。
金利上昇をシミュレーションに入れて、ある程度の金利上昇に耐えられる物件を選定しなければいけません。
(物件を業者さんに紹介してもらう場合は、金利上昇リスクについてキチンと話してくれる業者さんとだけ付き合いましょう。)
2.空室リスク
不動産投資をやる上で避けられないのが空室リスクです。
なにしろ空室の間は家賃収入はゼロです。ここはぜひ頭に入れておかなければいけません。
ちなみに、ぼくは空室リスクを避けるために次の予防策を張っています。
- 収支シミュレーションは空室を想定して0.8掛けで計算する。
- 単一の大学や会社に入居者を依存しているエリアを避ける。
- 人口動向や学区の小学校生徒数を細かくチェックする。
- ほしい物件のエリアに足を運んで近隣物件の入居率を調べる。
一棟モノは業者さんとパイプを作って物件を紹介されることが多いですが、業者さんのセリフをすべて鵜呑みにせず、自分の五感をフル稼働させることが大事です。

3.天災リスク

扱う物件が大型なだけに、天災によって大きな被害額が出るのも頭に入れておかなければいけません。
しかし!ここのセーフティネットが万全に整備されているのが不動産投資の強みですよね。
「株の暴落保険」なんてものは存在しませんが、不動産は地震や火災に備えて保険に加入する事ができます。
地域によっては土砂災害危険区域に指定されていたり、地震リスクが高かったりするので、それらの情報も事前にチェックしたいところ。
繰り返しますが、こういった部分も業者さんに頼らず自分で調査することはアパート経営者の務めです。
土地なしアパート経営を始める2つの方法と手順
それでは、ここからいよいよアパート経営を始める方法と手順を解説します。
方法は大きく分けて2つありますが、同時進行しながら徐々にどちらかへ絞っていくのがベストかもしれません。
1.自分で見つける
1つ目の方法は自分で融資機関と物件を見つけるという方法です。
物件を買ったあとは、自主管理or管理会社を入れますが、サラリーマン大家の場合は管理会社を入れる場合が大半。
サラリーマンしながらトラブル対応や清掃することはおそらく不可能ですからね。
さて、どうやって融資機関と物件を見つけるかがモンダイですよね。
順番からいくと、
- 融資先の目星をつけた上で
- 融資してくれそうな物件を探す
この順番がとても大切です。
物件を先に探しがちなのですが、いい物件を見つけてから融資先を探しても、まず見つかりません。
お買い得な物件であれば、融資先を探している間に他の投資家に奪われてしまうのがオチです。
だから、物件よりも先に、融資先を探すこと。
銀行や日本住宅金融公庫を泥臭く回り、自分の属性でどれくらいの物件なら融資してくれる可能性があるのか探りましょう。
大家経験がないと冷たい対応をされるのはザラです。ぼくも1軒目のときは10以上の金融機関を回りましたからね・・・。
金融機関の目星がついたら、ここで初めて物件を探します。
投資家御用達の物件検索サイトは楽待や健美家、そして不動産連合隊などです。
ここに四六時中へばりついて物件を探し、条件に合ったものが現れた瞬間問い合わせまくる、という体育会系的作業をひたすら繰り返していきます。
とある投資家は「30分おきに更新ボタンを押している」とおっしゃっていました(笑)
さて、この「自分で見つける」という方法。3日も経てばあなたはこう悟るに違いありません。

そうなんです。
個人投資家向けの融資が引き締め傾向にある現状も向かい風となり、大家経験ゼロの投資家が一棟モノを自力で買う難易度は、野球未経験者がレギュラーになって甲子園出場を果たすほど高くなっているのです。
すでに経験のある大家さんの知り合いがいると話が変わってくるのですが、そのつながりを作るのすらなかなか難しい。
よって、最近ぼくが「大家経験ゼロだけどアパート経営がしたい!」という相談を受けたときはもう一つの方法を勧めています。
それが「業者とタッグを組む」という方法なんです。次章で解説します。
2.業者とタッグを組む
大家経験のない方にお勧めできる方法は業者とタッグを組むというやり方。
一棟モノに強い不動産業者さんにコンタクトを取り、条件通りの物件探しから管理までお任せするというスキームです。
ぼくがわずかな可能性を求めてアパートを探していたとき、この2つの方法のハイブリッドをとっていました。
つまり、業者さんに物件を探してもらいながら、自分でもサイトで物件を探していたのです。
(結局やはり属性が悪すぎて融資がつきませんでしたが)
ここでは、アパートなどの一棟モノを専門に扱う不動産業者さんを3社紹介します。
特徴は少しずつ違いますが、一番効率的なのは「すべて資料請求して、自分でもサイトで物件を探す」ですね。
泥臭い行動はなかなか消耗しますが、セミリタイア組だって最初はだれもが初心者だったのです。
物件ゼロのうちはツラい日々が続きますが、会社だけの給料に依存するよりは遥かにマシですよ!
【追記】土地なしアパート経営のローンについての注意
先ほど「個人投資家向けの融資が引き締め傾向にある」といいましたね。
ぼくがいつもチェックする投資家サイトでも、最近こんなコラムやニュースが掲載されています。
- フルローン・低金利時代は終焉へ。「頭金3割」が求められる近未来に起こること。
- 貸し渋りに貸し剥がし…銀行が牙をむいたら?
- 2018年、銀行融資の引き締めは続くか
- 中古の一棟RCへの融資が、突如厳しくなった地銀
- アパートローン「急減速」のウラにあるものは
要するに、今までジャブジャブだった融資が適正に戻りつつあり、誰でも不動産投資家になれる時代が終わりつつある、ということ。
2017年頃までは、投資経験ゼロの人が飛び込みで銀行に融資をお願いすることも可能でしたが、どうやら風向きは変わっているようです。
よって、最初に「ひとりで孤独に融資先や物件を探す方法」を紹介しましたが、今現在の時流は少し合わないかもしれません。
まとめ:近年の融資傾向をみると「業者をタッグを組む」に軍配か
今回は「土地なしアパート経営」をしたい人に向けて、2つの方法と手順を解説してきました。
上記のニュースでもわかる通り今は時代の変わり目なので、取るべきは「ハイブリッド戦略」でしょう。
「自分ひとりで融資先と物件を探す」のは徒労に終わりますし、かといって「業者に任せきり」でもいけません。
よって、この2つを同時進行ですすめるのが「アパート経営者になる最速の道」といえます。
- 業者とつながりを作って人脈構築しつつ、
- 自力でも融資先や物件を探しまくる。
では、ここでおさらいしましょう。
新築アパートならエイムプレイスから資料請求できます。
そして、自力で物件を探すなら楽待、健美家、不動産連合隊などのサイトが王道ですね。
たとえ物件が見つからなくても、相場観を養う上で大事な作業なので、ぜひチェックしてみてくださいね。
そいではまた〜〜!!