こんにちは!草食系大家の中村ひろきです。
不動産投資していると、ときどきネットの物件情報で「告知事項あり」「心理的瑕疵あり」の文字見かけることがあります。

ザックリ言えば「事故物件」「訳あり物件」のことですね。
こんな物件を見かけた時、投資家としてどんなアクションを起こせばいいのでしょうか?
今回は、こんな物件を見かけた時に必要な知識と対処法をお教えします。
そもそも告知事項ってなに?
まず用語の解説からいきましょう。
そもそも「告知事項」とは、契約する前に仲介業者から買主へお伝えすべき重要な事柄のこと。
買ってから知ったらトラブルになることを未然に防ぐのが主な目的です。
ところが、おもしろいことに、どこからが「重要な事柄」なのか明確なラインはないんですよ。
よって、全ての事故物件に告知事項ありの記載があるとは限らないのが怖いところ。
やけに相場より安い物件を見つけたら、反射的に業者さんへ問い合わせてみるといいですね。
ぼくはトラブルを防ぐため、告知事項の有無はあいさつ代わりに尋ねるようにしています。
不動産の世界には4種類の瑕疵(かし)がある

ここで知っておきたい言葉が「瑕疵(かし)」という聞き慣れない言葉。
カンタンに言えば「欠陥」という意味ですが、不動産においては少しニュアンスが違います。
瑕疵(瑕疵)・・・本来備わっているべき品質・性能・状態・機能を備えていないもの。
特に100〜300万のボロ家投資では頻繁に出てくる言葉なので、この際覚えておいてください。
そして、「告知事項」の中身はたいてい次にあげる4種類の瑕疵(かし)に分けられます。
ひとつずつ見ていきましょう。
1.物理的瑕疵

- 雨漏り
- 傾き
- シロアリ
などなど、取引する土地や建物についての欠陥を物理的瑕疵といいます。
ニュースでさんざん取り上げられた森友学園問題の「地中から見つかったゴミ」もコレ。
しかし!実を言うと、物理的瑕疵は大家の力で解決できるものが多いんですよ。
かくいうぼくの最初の物件も「雨漏り」「傾き」「シロアリ」を全部兼ね備えてましたから(笑)
瑕疵の内容を解決できるのなら、物件を通常より安く仕入れられる大チャンス。
よって、瑕疵物件を見つけた場合は、毛嫌いせずに業者さんへ内容確認することをオススメします。
2.法律的瑕疵
- 再建築不可
- 未登記
- 接道義務違反
など、法律を遵守しておらず、自由な使用が妨げられている欠陥を法律的瑕疵といいます。
ただし、物件情報に法律的瑕疵ありと書いてあるケースは少なく、具体的に「再建築不可」などと書かれている場合がほとんど。
法律的瑕疵がある場合ローン審査が通らないこともあるので、あらかじめ金融機関に確認した方がいいでしょう。
この手の物件は格安感が強く、大家の力で乗り越えられるものもあるので、内容によってはチャンスなんですよね。
3.心理的瑕疵

一番厄介なのがコレです。
- 首吊り自殺
- 殺人事件
- 暴力団事務所跡地
など、大家の力ではどうしようもないケースを多く含んでいるのがこの心理的瑕疵です。
以前、アットホームで物件を探していた時、格安で出ていた物件がまさに首吊り自殺の物件でした。
県外だったのですが、おそるおそる見学に行くと、物件内に入った途端

と言われ、気持ちのいいものではありませんでした(笑)
こちらは大家であって住むつもりはないので、いざ入居者さんを見つけてしまえば済んでしまう話です。
ただ、時間が経って入居者さんが近所の方から自殺があった件を耳にしたら・・・
やっぱり気持ちのいいものではありませんよね。
こちらが気にしなくても、入居者さんが気にする方だとラチがあかないので、ぼくこう結論づけました。

4.環境的瑕疵
- 周囲の振動
- 周囲の騒音
- 周囲の異臭
など、物件周りの環境がもたらしている欠陥を環境的瑕疵といいます。
以前京都に物件見学に行った時、現地の業者さんにヒアリングを行うとこんな話を耳にしました。

(これは京都市南部に限った話であって、他の地域はわかりませんが。)
お察しの通り、大家の力でどうすることができないケースが多いので要注意です。
ただ、物件情報に「環境的瑕疵あり」と書いてあるのを今までに見たことがないので、実際に現地へ足を運んで五感で確かめたほうが確実ですね。
中には「工場が近くにあるけど、住宅密集地であり、賃貸需要が絶えない」というエリアもあるでしょうから、あくまでアリかナシか個別に見ていく必要があります。
なにしろ世界に二つとして同じ商品が存在しないという点が不動産投資の醍醐味ですからね!
告知義務はいつまで?どこまで?
では、訳あり物件の告知義務の範囲はどこまで及ぶのでしょうか。
よく耳にする話はこんなものがありますよね。
「自殺のあった物件を貸す場合、次の入居者には告知しなければいけないが、その次の入居者には告知しなくてもいい。」
また、ぼくが問い合わせた不動産業者さんはこんなふうに言っていました。
「賃貸の場合は、事故のあった次の入居者さんにだけ告知すればいい。売買の場合は、100年前の事故でも言わなきゃいけない。」
ネットで調べると、こんな情報もチラホラ見かけます。
「事故のあった物件は、事故後2年間だけ告知義務があり、それ以降は告知しなくてもいい。」
全くどれが本当のことを言っているのかわかりません(笑)
なぜ情報がこれほど錯綜するかといえば、法律によって明確な基準がないから。
よって、これまでにあった判例から推測することしかできないのが現状なのです。
「瑕疵担保責任免責」について
100〜300万程度のボロ家物件は瑕疵担保責任免責であることがほとんどです。
コレは、カンタンに言えば「買ってから瑕疵が見つかっても責任取らないよ」ということ。
だからこそ、自分の力で乗り越えられる瑕疵とそうでない瑕疵のラインを引くことが大事。
むしろそこに大家のキャラが現れるので、「自分はどんな問題を解決できるのか」を知っておいた方が、格安物件をゲットできる打率は上がるでしょう。
ぼくは最初の物件のおかげで多少のシロアリや傾きならビビらなくなったので、逆にそこがネックで売れ残っている物件があればすぐに飛びつきたいところです。
というわけで、今回は「告知事項あり物件」に対して、ぼくの考えをお伝えしました。
そいではまたー!