こんにちは!中村ひろきです。
昨今のインフレを推進する政府からは、「デフレ脱却」「物価2%上昇」というフレーズを聞かない日はありません。
それと同時に、不動産業者のこんな宣伝文句も耳にタコができるほど聞こえてくる日々。

さぁ、果たして営業マンの言っていることは本当に正しいのでしょうか?
今回は、岐阜と長野に不動産を所有するぼくが、インフレと不動産投資の関係について解説したいと思います。
もくじ
そもそもインフレってなに?

ここで「インフレ」について軽く復習しておきましょう。
インフレとは、超シンプルに言えば物の値段が上がっていくことです。
ラーメンを例に出します。
去年は「1杯500円」だったラーメンが、今年は「1杯1,000円」もするようになった。
これを言い換えれば「ラーメンが前年比200%のインフレを起こした」といえます。
別の見方をすれば、500円はラーメン半人前の価値しかなくなったから「ラーメンに対するお金の価値が半分になった」
ともいえます。
つまり、インフレとは物の価値が上がると同時に、お金の価値が下がることなのです。
インフレ対策に有利な2つのモノ
一般的に「インフレ対策」といえば、有利といわれている代表的なモノが2つあります。
そう、言うまでもなく「借金」と「現物」ですね。
これだけではピンと来ない方のために、わかりやすく1つずつ説明していきます。
1.借金

「インフレ対策に有利」といわれる代表的な2つのモノ。その1つ目が「借金」です。
なぜ借金はインフレに有利なのか。単純な数字に直して説明します。
ここに1,000万の家があります。この家を1,000万のローンを組んで購入してみましょう。
さて、先ほどのラーメンと同じくインフレが起こり、1年後に家の価値が2,000万に上がったとする。
さぁ、家の価値は2倍になったけれども、借金の返済額は増えるだろうか?
いや、増えませんよね。家の価値が上がっても、相変わらず返済すべき総額は1,000万円です。
(変動金利で組んでて金利上昇してたら増えますが)
つまり家の価値が上がっても、借金が増えるわけではないというワケ。
この状態で家を売れば、金利などの細かい諸費用を除いて「1,000万円の儲け」になります。
かな〜〜り単純化しましたが、コレが「インフレ対策は借金は有利」といわれるゆえんですね。
2.現物

「インフレ対策に有利」といわれる代表的な2つのモノ。その1つ目が「現物」です。
そもそも「現物」って、なんのことでしょうか?
シンプルに言えば「金銭以外の品物」を指し、例えばこんなものも「現物」になります。
- お米
- しょうゆ
- 貴金属(金・銀・プラチナなど)
では、なぜ現物はインフレに有利なのか。単純な例を挙げて説明します。
あなたはスーパーで「1リットル100円」のしょうゆを10リットル買ったとします。
さて、その後インフレが起こり、しょうゆが「1リットル200円」になったらどうですか?
あなたはしょうゆを半値で仕入れているため、10リットル売れば(200-100)×10=1,000円の利益になります。
少し難しい言い方をすれば「現物には価格が変動しても価値を維持する効果がある」ということになります。
ただし!お米やしょうゆは賞味期限があるので、長年にわたって価値を維持することができません。
世の大富豪たち「不動産」や「貴金属」を所有したがるのは、こういう理由からだったんですね。

「借金」して「現物」を買うのが最強

以上の説明で「インフレ対策には借金と現物が有利」ということが理解できましたか?
ここが理解できるとこの2つを合体させることはできないだろうか?というギモンが生まれます。
つまり「お金を借りて現物を買うことはできないだろうか?」と。
でも、少し考えればわかりますが、お米や貴金属を大量に買いたいからお金を貸してくれと頼んでも、貸し手はなかなか見つかりませんよね。
万が一貸してくれたとしても、お米や貴金属を自宅に保存しているだけでは、月々の返済額でマイナスになってしまいます。
(お米や貴金属が今後値上がりする保証はどこにもないのに)
試しに銀行の窓口で「絶対上がる株があるからお金を貸してくれ!」と言ってみてください。鼻で笑われます。
なんか変ですね。「お金を借りて現物を買うのが最強」と仮説を立てたのに、どうも上手くいかない。
さぁ、もうおわかりでしょうか?
そうです。不動産です。
あらゆる現物の中で、唯一不動産だけが、堂々と銀行からお金を借りて買うことができるのです。
そして、不動産は、毎月の家賃収入を月々ローン返済額を上回ることにより、収支をプラスにしながらインフレを対策ができます。
別の言い方をすれば「銀行の借金を入居者さんに払ってもらいながらインフレ待ち」ができるのです。
ここまでお読みになって「不動産最強じゃん!」と膝を打ったあなた。少し考えが甘いかもしれません。
というのも、実は不動産業者が語りたがらないインフレってのがあるんですよ。
次章で説明します。
実はインフレには2種類ある
不動産業者は「インフレ対策になりますよ!」を合言葉にしてますが、実はインフレって2種類あります。
もし業者さんからこの合言葉を聞いたら、どちらのインフレのことを言っているのか考えてみるといいでしょう。
こういう一歩踏み込んだところを知っているかどうかで、勝負が決まりますからね、不動産投資って。
さぁ、では2種類のインフレについて、それぞれ解説しましょう。
1.生活がラクになるインフレ

1つ目は、経済が発展するとともに人口が増え、需要が伸びることによって物価が上がるインフレ。
わかりやすい例は「高度経済成長期」ですね。物価の上昇と同時に給料も上がり、国民の生活はどんどんラクになります。
1960年代の不動産価格は毎年10〜40%ずつ成長したという記録が残っていますから、その凄まじさは想像以上。
こうなると上がるのは不動産価格だけではありません。家賃水準も上がります。
となれば、好景気が起こっているエリアの物件を所有していると貸しても売っても大きく儲けを生み出すことができるというわけです。
2.生活がツラくなるインフレ

2つ目は、物価は上がるのに、給料は変わらず、景気が停滞するインフレ。専門用語でスタグフレーションといいます。
歴史を振り返ると、震災やオイルショック後がこれにあたります。
人口増ではない他の原因によって生産コストが上がり、野菜や家を作る資材の値段が高くなる。
これによって、給料がそのままなのに生活が苦しくなり、家を借りられない人が増えるために家賃は下降気味になります。
住宅ローンなどを返せない人が現れると、みんなが家を手放して空き家が増えるため、住宅価格も落ち込みます。
まさにスタグフレーションが起こっているエリアに不動産を持っていたらどうでしょうか。
家賃を下げざるを得ないかもしれませんし、買った時よりも安い値段で売ることしかできないかもしれません。
よって、こちらのインフレ局面時は不動産投資は適さない、という結論になります。

まとめ:全ての不動産投資がインフレ対策とは限らない
「インフレ対策に不動産投資は最適ですよ!」
こんなキャッチフレーズが飛び交う不動産業界ですが、すべてのインフレが当てはまるワケじゃないことがお分かりいただけたでしょうか?
さまざまな角度から眺めてみないと本質が見えづらい不動産の世界。
利益を得るには、営業マンにいいなりになるのではなく、たくさんの情報をかき集めて真実を見極めることが必要なのです。
そんなぼくは、数年後に「良いインフレ」が起こりそうなエリアに物件を買おうとたくらんでます。
その過程はまたブログでお伝えしますね!お楽しみに!
そいではまた〜〜!!
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