こんにちは。32才で2軒所有中の中村ひろきです。
今は週4サラリーマンしながらハーレーに乗り、名古屋と長野で二拠点生活しています。
不動産とゴールドを買い集めながら、年金に頼らないしくみをジワジワ構築中です。
ここに不動産投資の経験ゼロから1軒目を買うまでのノウハウを詰め込みました。
マンガで解説していますので、不動産に興味を持ったばかりの方も頭に入りやすいと思いますよ!
もくじ
不動産投資はサラリーマンに与えられた最後のチャンス

「不動産投資」ときくと、お金持ちだけが参加できるマネーゲームのような気がするでしょう。
しかし、ぼくが1軒目を買ったときの年収は300万台。貯金は60万ほどしかありませんでした。
そんなぼくでも物件オーナーになれたのは、銀行がお金を貸したくなる属性を満たしていたから。
銀行は、宝くじで1億円を当てた人よりも、毎月安定した20万円の給料がある人のほうが好きなのです。
下のグラフをみてください。物件オーナー向けに実施したアンケートです。



(引用:「教えて!土地活用」のアンケート調査より抜粋)
このグラフから次のことがわかります。
不動産投資家の半分以上は「35才以下で経験ゼロのサラリーマン」である!
サラリーマンが半分以上を占める理由は、銀行からイチバン融資を受けやすい属性だから。
将来の年金や昇給に悩むサラリーマンにとって、不動産投資は賢く資産をつくる最後のチャンスなのです。



不動産投資は株やFXと何が違うのか
- 元手60万の日本株を7年で3億円にした方法
- 1日2回のチャートチェックで勝てる副業FX
- 少額でも月30万円儲かるビットコイン革命
本屋へ行けば、このようなタイトルの書籍があふれんばかりに並んでいます。
でも、ちょっと考えてみてください。
それらの方法でほんとうに勝てるなら、銀行は喜んで投資家にお金を貸しているはずです。
なぜ銀行は不動産投資の資金は貸してくれるのに、株やFXの資金は貸してくれないのでしょう?
答えはとてもシンプル。国はこう考えているからです。
・株やFX=ギャンブル
不動産投資は、国が正式に認めている「不動産賃貸業」という名のビジネス。
自己資金が少なくても、銀行から堂々とお金を借りてレバレッジ(=てこの原理)を効かせられるのです。
実際ぼくは2年で1280万円分の物件を買いましたが、コツコツ月5万ずつ貯めていたら21年以上かかる計算です・・・。




【第1章】不動産投資のことを知ろう
不動産投資を始めるには、まず不動産投資のことを知らなければいけません。
この章では、ざっくりと不動産投資の全体像をまとめてみました。
1-1 不動産投資ってなに?
不動産投資で利益を得る方法は大きく分けて2つあります。
・キャピタルゲイン=買った以上の値段で売って利益を得る。
インカムゲインとは、買った物件を他の人に貸して、その家賃を受け取って利益を得る方法です。
あなたが家賃5万円の部屋を借りて一人暮らしを始めたら、その5万円は大家さんのインカムゲインになります。
キャピタルゲインとは、物件を買った金額よりも高い値段で売って利益を得る方法です。
あなたが1,000万円で買った物件が、2年後に1,500万で売れたら、その500万円はあなたのキャピタルゲインになります。
しばらくインカムゲインを得て、最後はキャピタルゲインも得られる投資が最強。


▼不動産投資を始める前のオススメ記事はこちら。
・時間と場所に縛られないために必要不可欠な「ストック思考」とは?
・不動産投資は本当に魅力的なのか?大家歴1年のボクが正直に伝える。
1-2 不動産投資はインフレに強い
不動産投資とインフレの関係にふれる前に、サラッと用語を復習しましょう。
・デフレ・・・ものの値段が下がり、相対的にお金の価値が上がること。
スーパーの野菜やガソリンの値段を見てわかるとおり、ジワジワと確実にインフレの波が襲っています。
インフレのときは、一般的に「借金」と「現物資産」が有利になります。

たとえば、あなたが固定金利で100万借りて、100万の土地を買ったとしましょう。
インフレで土地の値段が150万に上がったとしたら、借金の総額は増えるでしょうか?
増えませんね。返済すべき額は100万のままです。これが「インフレは借金が有利」といわれる理由。

現物資産とは、金(ゴールド)や不動産などを指します。
たとえば、あなたが500万の土地を買ったとしましょう。
インフレで土地の値段が600万に上がったところで、この土地を売ったらどうでしょう?
100万の利益を得られますね。これが「インフレは現物資産が有利」といわれる理由。
つまり、インフレのときは「借金」して「現物資産」を買うのが最強・・・?
そう思いたいのですが、実はここに落とし穴があります。
この最強戦略が全てのインフレに当てはまるとは限らないのです。
下の記事に踏み込んだ解説があるので、ぜひ読んで理解を深めてください。
▼インフレのオススメ記事はこちら。
1-3 不動産投資に必要な年収は?
ぼくが不動産投資を始めたときは年収300万くらいでした。



銀行は、不安定な自営業の収入を嫌う反面、サラリーマンの安定した給与が大好物。
たとえ年収が低くても、サラリーマンには積極的に融資してくれます。もちろん景気や担当者によりますが。
特に『医師・公務員・弁護士』は銀行が貸したくてたまらない最強属性です。
この3つの職に就いている方は、高級車なんかよりもまず不動産で資産を作るべき。
また、給与の額は高いに越したことはありません。トライできる不動産投資の幅が広がりますからね。
・年収300〜500万未満・・・中古戸建、区分マンション
・年収500万以上・・・中古戸建、区分マンション、一棟モノ
こんなカンジで、年収が高ければ高いほどいろんな物件を買える可能性があります。
上の表はあくまでイメージに過ぎません。自己資金や資産総額によって大きく変わるのであきらめないように!
▼年収に関するオススメ記事はこちら。
1-4 不動産投資はリスクだらけ?
「不動産投資やってます!」と言うと、半分の人はこう答えます。

大正解です。まあまあリスク高いです。
でも、思い出してください。不動産投資は「国が認めたビジネス」です。
だから、たいてい何か起こっても救済措置が用意されています。
・地震が起こったら→地震保険
・家賃滞納されたら→家賃保証
・欠陥があったら→ホームインスペクション制度
・自分が死んだら→団体信用生命保険
という具合に。
お金持ちが不動産投資を支持する理由は、リスクがないからではなく、リスクに対する救済措置があるから。
株やFXで大損こいても、救済措置なんてほとんどありませんよね?
そもそも、不動産投資で失敗する人は、運や実力がなかったのではなく、基本的な勉強をサボった人ばかりなんです。
▼失敗に関するオススメ記事はこちら。
・不動産投資はリスクだらけ?それでもぼくが不動産投資をやめない理由
・不動産投資家が一棟アパート経営の失敗談を50件聞いて分析した結果
1-5 不動産投資にかかる税金一覧

不動産投資をするにあたって、かかる税金は以下のとおり。
❶印紙税
❷登録免許税
❸不動産取得税
2.不動産を持っているとき
❹固定資産税・都市計画税
❺不動産所得税
3.不動産を売るとき
❻印紙税
❼登録免許税(抵当権を抹消するとき)
❽譲渡取得税(売却益が出たとき)
物件を選ぶときは、これらを支払ってもなおプラス収支になるモノを買わなければいけません。
また、上の税金一覧のうち大きな節税効果が期待できるのは❺と❽です。
ただし、節税しすぎて赤字決算にすると、銀行評価が下がって物件を買い進めなくなることも。
具体的にどのくらい物件を買いたいのか、よく考えてから節税計画を立てるといいでしょう。
▼税金に関するオススメ記事はこちら。
1-6 不動産投資に資格は必要?


不動産投資に関連する資格はたくさんありますね。
- 宅地建物取引士
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- マンション管理士
- 土地家屋調査士
- ホームインスペクター
これらの資格は、不動産の知識を深めることはできても、投資に必要なセンスは育ちません。
資格を取得するための費用と時間をかんがえるとコスパが悪すぎるのです。
もし上記の資格を持った人の知識が必要なら、必要なときだけ彼らを雇いましょう。
そのぶん不動産投資の本を読んだり、資料を取り寄せたり、物件見学したほうが1,000倍マシです。
▼資格に関するオススメ記事はこちら。
まとめ:不動産投資はみんな初心者。ちゃんと学べば怖くない。



(引用:「マイナビニュース」のアンケート調査より抜粋)
アンケート結果で次のことがわかります。
不動産投資家を目指している人の半数以上が自己資金500万未満である!
(1軒目に280万のボロ戸建を買ったぼくは自己資金60万ですからね・・・。)
不動産投資において成功と失敗を分けるのは、自己資金ではなく情報量の差。
このブログを読んで勉強すれば、破産なんて逆にするほうが難しいくらいです。
下記に紹介する記事は、不動産投資についてまだなにも知らない人に向けて書いたモノ。
不動産投資の全体像をザックリ見渡すための記事ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
▼不動産投資初心者の人にオススメの記事はこちら。
【第2章】物件のタイプを決めよう

不動産投資の全体像をザックリ見渡したら、次に決めるべきは物件タイプです。


ここでは、一般的なサラリーマンがトライできる代表的な物件タイプをいくつか挙げてみます。
2-1 格安感あり最も人気の高いワンルーム
初めての不動産投資で最もトライする人が多いワンルーム投資。区分マンション投資ともいいます。
マンションの一部屋のオーナーとなって、物件数を増やしていくイメージですね。


主に単身者用の物件なので、家賃収入が小さめのワンルーム投資。
毎月収支が赤字になる物件を紹介されることもあるので注意が必要です。
物件数が一番多いので、とにかく多くの物件を見学して目を養いましょう。

・Renosy(リノシー)・・・築10年前後の中古。管理費は業界最安値の1,080円/月。
・J.P.Returns・・・築10〜15年の中古。無料セミナーを随時開催している。
・Tokyo net worth・・・都心16区の物件に特化。デザイナーズマンションが多い。
・ハウツーオーナー・・・区分を扱う100社以上の業者からマッチングしてくれる。
これらの業者はDVDや書籍がもらえる資料を配布しています。詳しくは公式ページをチェック!
2-2 爆速で家賃収入を得たいなら一棟モノ
不動産投資で最も大きな富を築けるのがコレ。一棟丸ごとのオーナーになる投資ですね。
物件金額が大きいためハードルは高いですが、家賃収入は爆速で積み上がっていきます。


ぼくは年収が低くてトライできませんでしたが、一番やりたかったのがコレでした。
家賃収入のみで生活しているリタイア組はみんな一棟モノのオーナーです。
それほど家賃収入のボリュームが大きい証拠。うまく運用できれば人生変えられるシロモノです。
おもに年収500万以上の人がトライしています。逆にこの年収があるならトライしなきゃ損!
2-3 DIYや物件見学も楽しむなら中古戸建
「築30年以上のボロ家を激安で仕入れ、リフォームを施して貸す」という形の不動産投資。
年収も属性も低すぎたぼくは、1軒目も2軒目もコレで地道に家賃収入を積み上げています。


ボロ家を専門的に扱う業者は存在しないので、「at home」や「不動産ジャパン」で地道に物件を探すことになります。
たとえ設備などの問題を抱えていようが、とにかく安く仕入れることが最大のコツ。

▼戸建投資に興味がある人にオススメの記事はこちら。
2-4 まだまだある!変わりダネの投資物件
- 駐車場
- 空き地
- レンタルスペース
- コインランドリー
- コインパーキング
などなど、他にもアイデア次第でたくさんの不動産投資があります。
つい先日も、加藤ひろゆきさんが「草むらを更地にするだけで高収益 激安!「空き地」投資」という本を出しました。
不動産投資は刻一刻とトレンドが移り変わっているので、常識にとらわれずに広い視野を持ちたいものです。


▼変わりダネの不動産投資に興味がある人にオススメの記事はこちら。
まとめ:いくら欲しいのかハッキリさせよう。


「どんな物件を買うか」という問題は、単なる不動産投資の一手段であって、目的ではありません。
あなたはなんのために、いつまでに、どれだけ家賃収入がほしいのでしょうか?
ハワイでのんびり暮らしたいのでしょうか?老後の不安が少しでも減れば満足なのでしょうか?
目的がハッキリすれば、手に入れるべき物件タイプはおのずと決まるはずです。
5年で100万の家賃収入がほしいなら、ちまちまとワンルームを買っても間に合いませんからね。

▼物件のタイプについて詳しく知りたい人にオススメの記事はこちら。
【第3章】融資先を見つけよう

不動産投資をする上で、初心者がはまりがちな罠がコレ。
実は、物件よりも融資先を探すことのほうが大切なんですよ。
その理由と、どんな金融機関があるのか種類別に解説しました。
(現金で買う場合はこの章を読む必要はありません。)
なぜ物件よりも融資が先なのか?

たとえば、あなたがネットで手頃な物件を見つけたとしましょう。
購入したい旨を仲介業者に伝えると、開口一番こう言われます。

ここで、もしこんなことを言おうものなら、ものすごーく嫌な顔をされます。

仲介業者だって牛丼屋と同じで「数を売ってナンボ」の世界です。
今から融資先を探そうとするあなたに売るくらいなら、
・すでに融資先のアテがある人
このどちらかに売ってしまったほうが早いのです。
どれだけこの物件に対する熱意を伝えても意味がありません。
不動産投資では「買いたい客」よりも「買える客」になるべき。
遠回りのように感じますが、結果的に物件よりも融資を先に見つけるほうが大事なのです。
ただし、多くの業者は金融機関と提携しているので、アテがなければ紹介してほしい旨を伝えましょう。
2018年現在、自力の融資開拓は厳しい
スルガ銀行が不正融資を行った事件を境に、金融庁は個人向け不動産投資ローンの審査をより厳しくしました。

しかし、ほかのローンよりも高利子で貸せる不動産投資ローンは、銀行にとっての稼ぎ頭。
金融庁の目は厳しいけれども、貸したい気持ちは山々なのがホンネなのです。
現在、経験ゼロの不動産投資家が融資を受けるには次のどれかが必要です。
- 不動産業者に提携先の金融機関を紹介してもらう。
- 実績のある不動産投資家に金融機関を紹介してもらう。
- 以前に借りたことのある金融機関に融資を申し込む。
どれかを満たしていても、あなたの属性や担当者次第でNGかもしれません。
ただ、飛び込みで銀行の窓口に突撃するよりはグンと確率が上がります。
現段階でいちばん早いのは、業者に提携先の金融機関を紹介してもらう方法でしょう。

3-1 日本政策金融公庫
「日本政策金融公庫」とは、起業支援などを目的とした国の公的機関。略して公庫(こうこ)と呼ばれます。
銀行よりも低金利かつ審査が通りやすく、事業の相談やアドバイスもしてくれるんですよ。



女性や35歳未満の若者は「若者起業家支援資金」という制度を活用して、通常よりもいい条件で融資を受けられます。
「公庫も厳しくなった」という声も聞きますが、融資はあくまで担当者次第。
店舗ごとにかなり対応が変わるので、気になる方はお近くの店舗へ問い合わせてみましょう。
借入期間が10年など短期間しか借りられない場合、当然ながら毎月の返済額が増えます。
その場合は、地方の高利回り物件を買ってキャッシュフローを大きくするなどの工夫が必要です。
3-2 都市銀行
都市銀行とは、東京や大阪に本店を構える大きな銀行。いわゆるメガバンクですね。
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
2013年以降は、これらの5つだけが都市銀行に指定されています。
上場企業の高属性を好むので、自己資金の少ない低年収サラリーマンはかなり厳しいです。
・築古物件や経験ゼロの投資家は難しいかも。
・高額の築浅RC物件を買い進めたい人にオススメ。
「全国エリア対応」とは、全国どこの物件でも融資を受けられる可能性があるということ。
あとで説明しますが、地方銀行などは限られたエリアの物件のみ融資可という場合が多いのです。
融資条件はまちがいなく最良なので、高年収の方はぜひ候補に入れておきましょう。

3-3 地方銀行・信用金庫
地方銀行とは、全国地方銀行協会の会員となっている銀行。
たいてい各都道府県に2,3あります。たとえば以下。
- みちのく銀行(青森)
- 八十二銀行(長野)
- スルガ銀行(静岡)
- 愛知銀行(愛知)
- 琉球銀行(沖縄)
信用金庫とは、地域の活性を第一目的とした金融機関。略して信金(しんきん)と呼びます。
そのため融資できる物件エリアは限定されており、物件近くの支店に問い合わせることになります。
・自己資金が必要になることが多い。
・借入期間も短め。
以上の理由から、自己資金のない状態で最初の物件の融資を申し込むのは厳しいかも。
ある程度の資金が貯まる2,3軒目で利用したほうが健康的な運用ができるでしょう。


3-4 ノンバンク
ノンバンクとは、その名の通り「店舗を持たない銀行」を指します。
ほかの金融機関とはかなり違った特徴があるのでぜひチェックしてください。
・銀行に比べて審査がゆるい。
・問題アリ物件でも融資してくれる。
年収500万以下で経験ゼロでも融資を受けられる可能性が高いのがノンバンク。
とくに「三井住友L&F」や「セゾンファンデックス」は不動産の融資に積極的な印象です。
「問題アリ物件」とは、たとえばこんな物件。
- 築古木造物件
- 容積率オーバー
- 建ぺい率オーバー
- 再建築不可
- 借地権
銀行が融資してくれない物件でも可能性があるのはノンバンクならでは。
ただし、金利は他の金融機関よりも高いので、利益が出る物件なのか精査する必要があります。
こちらも支店や担当者によって対応はかなり変わるので、最新の状況は問い合わせましょう。
3-5 その他
ここまで紹介した金融機関がダメでも、世の中には猛者がたくさんいるもんです。
ぼくが今まで聞いたことのある話では、こんな変わったケースも。
- 物件は現金で買い、リフォーム代だけフリーローンを利用した。
- マイカーローンで新車を買ってすぐに売り、その現金で物件を買った。
- 住宅ローンで賃貸併用住宅を買い、自分でも住みながら家賃収入を得た。


まとめ:物件探しは融資の目星をつけてから。
大事なことなので、もう一度大きな声で言います。
どれだけいい物件を見つけても、融資先がなければ永遠に物件は買えません。
(現金で買う場合を除いて)
融資先に問い合わせて自分の属性を伝えると、融資が受けられそうな物件イメージを教えてくれます。
それをもとに物件を探したほうが絶対的に近道なんです。これはもう間違いない。



【第4章】物件を探そう

融資が受けられそうな物件のイメージがつかめたら、いよいよ物件探し。
不動産投資用の物件を探す方法はいくつもあるので、うまく組み合わせて情報を大量収集しましょう。
4-1 利回りの最低ラインはどれくらい?
不動産投資において最も注意すべき数字は「利回り」です。
利回りとは、初期費用を1年間(=12ヶ月)でどれだけ回収できたか、という指標。
たとえば、1,200万で買った物件を10万円/月で貸したら、利回り10%というわけです。
ここで注意してほしいのは、2つの利回りの違い。
・実質利回り・・・物件価格に加え、諸費用やランニングコストも含める現実的な指標。
表面利回りは、「想定利回り」「グロス利回り」とも呼ばれます。
実質利回りは、「ネット利回り」とも呼ばれます。
不動産業者がアピールしてくるのは表面利回りなので、より現実的な実質利回りに計算しなおす必要があります。
なお、不動産投資における表面利回りは7〜15%が一般的なライン。ぼくの1軒目は23.5%だったので超優良な投資でした。


利回りが高くても、借りたいと思う人が現れなければ永遠に家賃収入は0円のままです。
利回りは低くても、立地が良くて20年以上家賃を稼ぎ続けてくれる物件もあるでしょう。
不動産業者の「高利回り物件ですよ!」に踊らされないようにご注意を。
どのくらいの利回りを求めるかはあなたの投資スタイル次第なのです。
▼利回りに関するオススメの記事はこちら。
4-2 「選んではいけない物件」の3つの特徴
不動産投資用の物件としては避けたいモノは次の3つ。
- 近所の同じスペックの物件が空室だらけの物件
- 特定の大学や工場に入居者を依存している物件
- 周りの物件がバーゲンセールを開催している物件
この3つのどれかを満たしている場合、その物件で賃貸業を営むのはキビシイと判断しています。


他にも、近隣アパートの集合ポストをチェックしたり、ベランダに物干し竿がかかっているか見ることも。
また、特定の大学や工場に入居者を依存している物件は、それらが移転・倒産すると入居者探しが非常に難しくなります。

SUUMOなどで周囲の賃貸物件をいくつかチェックしてみてください。
「最初の家賃2ヶ月無料」「今なら家具家電プレゼント」などの文字が並んでいませんか?
これらは、そのエリアが需要よりも供給が上回っており、家賃相場がジワジワ下がっていることを指しています。

▼物件探しに関するオススメの記事はこちら。
4-3 こんな場所が実は狙い目
だれもが知っている東京の主要エリアに物件が買えれば言うことナシですよね。
しかしそんな資産はないので、ここでは鈍い切れ味を放つ狙い目エリアをお教えしましょう。
- 大都市からは離れているが、人口の多い郊外の住宅地エリア
- 地方ではあるが、中心部から近くて利便性の高いエリア
よく観察しているのは、この2つのどちらかに当てはまるエリアです。

これは東京でいえば足立区や練馬区、名古屋でいえば緑区や中川区を指します。
近くの大きな国道にニトリやイオンがある「生活感のかたまり」みたいなところですね。

では、2つ目の「地方だけど中心部に近いエリア」とは何を指すのでしょうか。
ぼくが頻繁にチェックしているのは札幌、仙台、松本、福岡、那覇です。
地方の中心部は、利便性が非常に高いのに大都市に比べるとかなり格安。
地方の中心部から突然人がいなくなることはまず考えられないので、家賃収入を受け取りながら様子をみるのはアリかと。

4-4 業者に探してもらおう
より早く不動産投資家デビューするために、自力で物件を探しながら同時進行で業者にも依頼するのがおすすめ。
ネットには載っていない物件情報をくれるので、自分で探した物件とかぶらないんですよ。

忙しくてあまりネットを見るヒマがない人は、なおさら業者の力を借りるべきです。
・Renosy(リノシー)・・・中古区分専門。管理費は業界最安値の1,080円/月。
・J.P.Returns・・・築10〜15年の中古区分。無料セミナーを随時開催している。
・Tokyo net worth・・・都心16区の物件に特化。デザイナーズマンションが多い。
・ハウツーオーナー・・・区分を扱う100社以上の業者からマッチングしてくれる。
・エイムプレイス・・・新築一棟。複数の建築会社から選べるのが利点。
上記の公式ホームページから資料を取り寄せて、物件の希望条件を伝えましょう。

4-5 物件検索サイトを使おう
希望の物件条件が決まり、業者に物件探しを依頼したら、いよいよ本格的に自分の目で物件を探します。

頻繁にチェックしている物件検索サイトはこの4つです。
- at home
- 不動産ジャパン
- 楽待
- 健美家
それぞれの特徴を解説します。
まず使用頻度トップの「at home」。
1軒目の岐阜物件も、2軒目の松本物件も、実はこのサイトで見つけたものです。
他のサイトにはない特徴が、PCサイト版のみ表示される「お気に入り登録数」という項目。
これ、リアルタイムでどれだけ物件を気になってる人がいるのか一目瞭然なんですよ。
お買い得な物件はまたたく間に数が増えるので、目利きを鍛えるためにも定点観測しましょう。
(ちなみに岐阜物件のときは「30」くらいついていました)
次にチェックするのが「不動産ジャパン」。
このサイトの特徴は物件数の多さとサイトの見にくさです。
写真が少ないので、数字や間取りだけでどんな物件かイメージできるようになると本領発揮。
「見にくい=一般人は見ない」なので、単純に敵が少ないという利点があります。
わざわざラストに持ってきたのは理由があります。コレ初心者には使えないんですよ。
見ているのはヒマな敏腕投資家ばかりなので、お買い得な物件は秒殺でサイトから消えます。
結果、残るのは収益を生まないクソ物件ばかりなので、コネなしの経験ゼロ投資家が戦う土俵ではありません。

・不動産ジャパン・・・物件数が豊富だが見にくい。敵が少ないのでチャンス多し。
・楽待(らくまち)・・・投資向け物件が豊富だが、初心者には不向き。
・健美家(けんびや)
どれくらいの家賃が取れそうか調べるために、賃貸物件検索サイトのSUUMOもお忘れなく!
まとめ:物件探しは「ハイブリッド戦略」がイチバン。

不動産投資を始める人は、例外なく「十分な時間が取れない」という忙しい方ばかり。
このブログを読んでいるあなたも、1日の大半を家と会社で過ごす多忙なサラリーマンなのでしょう。
ぼくが物件を買ったときも、サラリーマンと自営業を兼ねながら1日12時間くらい働いていました。
業者に物件探しを依頼することは、物件探しスタッフを無料で雇えることと同じです。
「自分×業者」で物件を探すハイブリッド戦略を取り、最速で給料以外の収入源をつくりましょう。

【第5章】物件を見学しよう

不動産投資に欠かせないのは、実際に自分でも住みたいと思えるかを判断する客観的な目線。
融資先と理想の物件タイプがハッキリしたら、あとは現地見学をたくさんこなして目を養いましょう。
ネットの物件情報では表面的な部分しかわからないので、ビビらずにどんどん見学しましょう。


5-1 気になる物件が見つかったら



不動産投資で成功と失敗を左右する最大の分かれ目。
それは・・・
できるだけ物件を安く買うこと
コレに尽きます。
そして物件を安く買えるかどうかは「見学予約の電話をするとき」から始まっているのです。
通常、ネットや業者経由で気になる物件が見つかったら次のステップを進みます。
- その物件を扱っている仲介業者に電話をかける。
- 見学の日時を決める。
- 見学する。
しかし、ぼくは見学の日時を決める前に「あること」を必ず聞きます。
売却理由です。
なぜその物件を売ることになったかを尋ねると、売主さんの温度がわかります。
できるだけ早く売りたい人ほど、値下げしたいと思っています。
焦って売る必要がない人ほど、値下げをするつもりはありません。
値下げ可能性が低く、想定した利益が出なさそうな物件なら、見学する前に辞退しましょう。
ネット掲載の価格は予算オーバーでも、値下げ可能性がありそうなら、見学も視野に入れましょう。
見学予約をするときは、物件情報ページの下部に載っている仲介業者さんへ連絡してくださいね。

5-2 見学時のチェックポイント
いよいよ見学の当日。時間に遅れないように待ち合わせするべきでしょうか?
実は、遅刻しないどころか30分前に着くべきなんです。
その時間で近隣の状況を把握しておく必要があるからです。
- 近隣住民の雰囲気はどうか?
- 近隣物件の入居率はどれくらいか?
- 生活に支障をきたす坂道はないか?
あたかも自分がこれから住むような気持ちでチェックしましょう。
仲介業者さんが到着すると、名刺を交換して物件の内部へ案内されます。
物件の内部を見学している間に、仲介業者さんに聞いておくべき質問はこちら。
- 売主さんはどんな人か?
- 売却する理由は?
- 固定資産税と都市計画税はいくらか?
- 近隣との取り決めはないか?
- 空き家になってどれくらい経つか?
- 問い合わせ件数はどれくらいか?
- 今までの見学者はなぜ買わなかったか?
- どこまで売主負担で手直ししてくれるか?
- 物件価格はどのように変化してきたか?
- 値下げの可能性はあるか?
▼これらの質問に関するくわしい解説はこちらです。

5-3 買いたい客よりも買える客
ぼくが不動産投資を学び始めたばかりのころやってしまった失敗はコレ。
その物件を買いたい熱意を伝えてしまうことです。
キャッシュで物件を買える大富豪を除き、たいていの場合は融資を受けて物件を買いますよね。
仲介業者さんは物件が売れないと1円も利益にならないので、買えない客(=融資を受けられない客)に時間を潰されるのは避けたいのがホンネ。
よって、あなたが業者さんにアピールすべきは「買いたい客」ではなく「買える客」であること。

と冷静に伝えたほうが、よほど値下げ交渉などの要望を聞いてくれる可能性は高くなります。
不動産投資に限らず、交渉に大切なのは「相手が何を望んでいるか」なのです。
【第6章】物件を契約しよう

地道にステージをクリアしてきた不動産投資もいよいよ大詰め。
この章では、物件を契約するときの流れを解説します。
- 賃貸借申込書をチェックする(オーナーチェンジ物件のみ)
- 重要事項に係る調査報告書をチェックする(一棟モノのみ)
- 買付証明書を出す
- 売買契約を結ぶ
- ローンを申し込む(ローン利用の場合のみ)
- 決済と引き渡し
ちなみに、オーナーチェンジ物件とは「すでに入居者がいる物件」のこと。
買った瞬間から家賃収入が生まれますが、退去するまで物件内に入れないデメリットがあります。


それでは、以上の6ステップを解説します。
6-1 賃貸借申込書をチェックする(オーナーチェンジ物件のみ)
賃貸借申込書とは、現在入居者がその物件に入居するときに記入した書類。
不動産業者に依頼すると見せてくれるので、忘れずに確認しましょう。
チェックすべき項目はこのあたりです。
- どんな人が入居しているのか
- 家賃を滞納したことはないか
- どのくらいの期間住んでいるか
- 誰が連帯保証人になっているか
- ペットは住んでいないか
ここを把握すると、家賃を滞納される可能性や退去時のクリーニング費用を予想することができます。
特にワンルーム物件の平均入居期間が4年ともいわれているので、退去時にかかる現金は準備しておくべき。

また、連帯保証人が親族ではなく知人などの場合は、滞納家賃が回収できないこともあるのでご注意を。
6-2 重要事項に係る調査報告書をチェックする(一棟・区分のみ)
「重要事項に係る調査報告書」とは、マンション管理会社が発行している大事な書類。
滞納歴があった部屋や修繕計画などが書かれているので、必ず不動産業者に確認を依頼しましょう。
いろいろな項目がありますが、とくに確認すべきなのは以下。
- 修繕積立金の総額
- 管理費や修繕積立金の滞納額
- 修繕工事の履歴
- 管理形態
最近、ニュースで修繕積立金の滞納がよく話題に上がっています。
国土交通省が定めるガイドラインに沿って修繕工事が計画通り行われていない、というヤツですね。
管理がずさんなマンションを購入すると地獄をみるので、必ずチェックを怠らないように。

6-3 買付証明書を出す
「6-1」「6-2」の書類をチェックしたら、いよいよ買付証明書を不動産会社に提出します。

買付証明書には「買付希望価格」を書く欄があり、1,000万の物件を50万値切りたければ「950万」と記入します。
また、ローンを組むときは必ず「ローン特約 有」にマルを付けるようにしましょう。
ローン特約とは、たとえローンの審査に落ちても違約金なしで契約解除できるしくみ。
そうしないと、審査が落ちたときに違約金や損害賠償金を請求されることがあります。

買付証明書は不動産業者に購入の意思を伝えるものですが、辞退してもキャンセル料はかかりません。
ただし、その不動産業者の印象をかなり悪くするので、むやみに提出するのはご法度です。

6-4 売買契約を結ぶ
このあたりから不動産業者との連絡が慌ただしくなり、さまざまな書類を準備することになります。
ですが!基本的に不動産業者に言われるままに動いておけば問題ありません。
ただし、このタイミングで売主に支払う「手付金」や不動産業者に支払う「仲介手数料」を請求されることもあるので、まとまった現金が必要になります。

手付金(てつけきん)とは、放棄することで契約を解除できる最終手段のお金。
たとえローンが通っても手付金を放棄すれば契約を解除できます。相場は売買代金の10%前後くらい。
そして、売買契約の当日までにチェックすべき書類を挙げておきます。
- 不動産売買契約書
- 重要事項説明書
- 管理規約・使用細則(マンションの場合のみ)
- 登記簿謄本(=全部事項証明書)
ひとつずつ解説します。
「不動産売買契約書」の中で、もっとも確認すべき項目は瑕疵担保責任。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、その物件に隠れた欠陥が見つかった場合に売主が責任を負うことです。
ボロ家の場合は物件情報ページに「瑕疵担保責任免責」と書かれていることがありますね。
あれは「購入後に問題が発覚しても自分でどうにかしてね」ということなんです。

「重要事項説明書」とは、不動産業者(=宅建士)が取引に関して説明すべき事項が書いてあるもの。
この中でとくに確認しておきたいのは以下。
- 登記された権利の種類と内容
- 法令上の制限
- 敷地と道路の関係
- 水道・ガス・電気の整備状況
- 売主と買主でやりとりされる金銭(固定資産税の清算など)
- 建物と敷地の管理・使用事項(区分の場合のみ)
- 契約解除に関する事項
ローンで物件を購入する際、審査に落ちれば物件は購入できなくなるので、契約解除については念入りに確認しましょう。
「管理規約・使用細則」とは、区分の所有者が話し合って決めた独自ルールのこと。
- ペット飼育禁止
- 事務所利用禁止
などのルールもここに書かれているので、念入りなチェックが必要です。
「登記簿謄本」とは、言うなればその不動産の履歴書。
物件の所有者名や正しい住所が書かれているため、内容に不備がないか確認しましょう。
ぼくが2軒目に買った物件では、登記簿謄本に載っていた住所表記が古く、郵便物が届かないトラブルがありました。
役所に新しい住所を確認して解決でしたが、物件オーナーはこういった小さな問題を潰しておかなければいけません。

契約当日に必要なものは、不動産業者さんが何度も伝えてくれるので心配は無用です。
ただ、ぼくはソワソワしてしまって印鑑や手付金を何度も何度も確認してしまいます(笑)
忘れ物はないに越したことはありませんが、念のため契約は午前中にしておくこと。
もし忘れ物をしても、一度家に帰って午後に契約できる可能性が残されていますからね!
6-5 ローンを申し込む(ローン利用の場合のみ)
ぼくの持論ですが、よほど現金に余裕がない限り「不動産投資はローンを利用すべき」と考えています。
毎月の返済額を上回る家賃収入を得られれば、もはや借金を入居者さんが返してくれることと同じですよね。
それに加え、マジメに貯めたら何年もかかる現金を目の前に用意してくれるなら、利用しない手はないと思うのです。

ローンの申し込みは次の手順で進みます。
- 事前審査(一次審査)
- ローンの申し込み
- 本審査(二次審査)
- 融資の契約手続き
- 抵当権設定
- 融資の実行
最近は事前審査をwebで済ませるところもありますが、ここで注意が必要。
年収などの入力画面をごまかしても、本審査で確定申告書を提出するとすぐにバレます。
事前審査はカンタンに済んでしまうところが多いですが、キモは本審査なので気をつけてください。

「抵当権(ていとうけん)」とは、あなたがローンを払えなくなった時に金融機関が不動産を取り上げる権利のこと。
金融機関が取り上げた物件は任意売却物件といってかなりお買い得なのですが・・・この話はまた今度。
本審査に通ると、金融機関との間で「金銭消費貸借契約」を結び、詳細なローン条件が決まります。
ちなみにローンの諸費用は物件価格の10%ほどかかります。ぼくの280万戸建は27万の諸費用がかかったので、ほぼドンピシャですね。
以下に一覧を載せておきますので、参考にしてください。
- 印紙代
- 融資事務手数料
- 抵当権設定登記費用
- 抵当権設定登記手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険料
- 火災保険料・地震保険料

▼1軒目のくわしい諸費用はこちらに載せました。
また、金融機関はいくつかピックアップしておいて複数申し込みできるのがベスト。
融資が通る可能性が低い場合は、時間がかかる旨を不動産業者に伝えておいたほうが無難です。
6-6 決済と引き渡し
通常はこの流れで決済が行われます。
- 売主へ残りの物件代金を支払う
- 司法書士へ登記費用と登記手数料を支払う
- 不動産業者に仲介手数料を支払う
しかし実際は「銀行→あなた→売主」という流れで口座間をお金が移動するだけなので、何百万のキャッシュを直接目にすることはありません。
また、決済は銀行でおこなうことが多いですが、ぼくは多忙だったので全て電話連絡やweb振込で完結したことも。

ここまで終えると、ようやく物件の鍵を受け取ることになります。達成感ヤバイです。
ここでは省略しますが、引き渡しを終えた段階で火災保険・地震保険に加入することも忘れずに。
とくに地震や台風は頻度が増しているので、その土地の災害リスクに合わせた保険に加入しましょう。
まとめ:流れは覚えなくてヨシ。重要なのは●●すること。

ハッキリ言って、こんな取引の流れを覚える必要はありません。
契約の当日に必要な物や用意する書類などは、そのつど不動産業者さんが指示をくれますから。
それよりも大切なのは、書類の中にかかれた重要事項をしっかりとチェックすること。
とくに瑕疵担保責任や契約解除は把握しておかないと現金が吹っ飛ぶこともあるので、細心の注意を払いましょう。
【第7章】物件を高く売ろう




不動産はよく出口戦略が大事といわれます。
せっかく5年間で400万の家賃収入を得ていても、最後に買った値段よりも500万安く売ってしまったら、トータルはマイナスになってしまいますよね。
ここでは、物件オーナーが最高の出口を迎えられるように、不動産を売却するときの流れやコツをお伝えします。
7-1 物件価格の相場を調べる
車でもバイクでもそうなんですが、物を売るときに一番大切なのは「今の相場を知ること」です。
不動産はふたつとして同じものがなく、しかも価格は日々変動しているので、相場がとてもわかりにくいもの。
よって、あらゆる方向から相場感をあぶりだして売り出し価格を決めることが大事です。
- 査定サイトに依頼する。
- チラシやネットで調べる。
- 国土交通省のサイトで調べる。
ひとつずつ解説します。
最初にやってほしいのは「HOME4U」などの無料査定サイトに依頼すること。
ザックリといえば「複数の不動産業者にまとめて売却可能金額を見積もってもらえる」サービスですね。
なんだかんだプロの目で査定してもらうのが一番早いので、売却を考えるならまずコレを使います。
ぼくも物件の査定をお願いしましたが、入力は1分で終わる上に、しつこい電話も鳴りませんでした。
上記のような業者に依頼するデメリットは、業者の勝手な事情が入ってくるという点です。
たとえば「売却件数こなしてナンボだから安く買い叩いてやろう」みたいなヤツ。
しかし相場を知らないと安く査定されたことにすら気づけません。そこで別の目が必要になります。
そこでチラシやネットです。近所で出ている売り物件の価格をそれとなく調査するのです。
だんだん「コレは相場より安いな」と肌感覚でわかるようになるまで、たくさん情報を集めましょう。
最後にもうひとつ。別の目線で価格を調べる方法があります。
国土交通省の「不動産取引価格情報検索」では、過去5年間の取引事例を知ることができます。
募集価格ではなく実際の取引価格を調べられるので、今の適正な相場を知るのにめちゃくちゃ役立ちますよ。
7-2 媒介契約を結ぶ
前章で査定を依頼した業者の中で、対応や価格がよかった業者と媒介契約を結びます。
媒介(ばいかい)契約とは、その不動産を売るための営業努力を宅建業者に依頼する契約のことです。
ここで一般媒介契約と専任媒介契約の二者択一を迫られますが、特別がない限り前者にしておきましょう。
・専任媒介契約・・・1社の不動産業者にしか売却を依頼できない。
つまり専任媒介契約を結ぶと、業者がショボくて売れなくても浮気できないってことです(笑)
専任媒介契約にすると他の業者に頼めなくなるので、業者の営業が振るわなかった場合に備えて、一般媒介契約にしておいたほうが売主にとっては有利。
この2つの取引形態はもっと細かな違いがあるのですが、ここでは省略します。
7-3 売却活動がはじまる
業者と売り出し価格を決めて媒介契約を結ぶと、売却に向けた活動が始まります。
自分の物件がネットやチラシに載って出回るタイミングがここです。
(ぼくが280万の戸建を500万で売ったときは、入居者さんにそのまま売れたので市場に出回りませんでした。)
もしも反応が悪ければ、値下げすることもあります。
7-4 売買契約を結ぶ
購入希望者が現れたら、媒介契約を結んでいる業者から連絡があり、買付申込書を受け取ります。
(買付証明書がなく、単に電話で「●●円で買いたい人が現れました」と告げられることも。)
その金額が納得のいくものなら、引き渡し日や売買契約日を調整すればOK。
しかし買い取り希望者と直接やりとりをすることはなく、あくまで業者が仲介に入って連絡が行われます。
7-5 決済と引き渡し
金銭のやりとりが終わったらあとは引き渡しを待つだけです。
固定資産税や家賃は日割り計算になるので、明細書をみて間違いがないかよく確認しましょう。
物件の売却にかかる諸費用
賃貸中の物件を売却すると次の費用がかかります。
- 登記名義人表示変更
- 抵当権抹消(ローン返済中の場合のみ)
- 登記原因証明情報
- 仲介手数料
- 敷金清算
- 家賃・固定資産税清算
ぼくが280万で買った物件を500万で売ったときの諸費用は約35万円でした。売却金額の約7%です。
ローン返済中でないときや賃貸中でないときは、抵当権抹消費用や清算金がかからないので、上記よりも安くなります。
おわりに:不動産投資の知識を詰め込むのは最長3ヶ月。あとは行動あるのみ。
最後にひとつだけクイズです。
不動産投資で最も多い失敗ってなんだと思いますか?
実は入居者が見つからないことでもなければ、自己破産することでもないんです。

答えは“なにもしないこと”です。
知識は誰よりも詳しいけど、7年経ってもいまだに1軒も持っていない。
こういうペーパーみたいな不動産投資家が一番多いのです。
不動産投資で成功している先輩は口をそろえてこう言います。
「物件を買う前にやめる人はたくさんいるが、物件を買ってからやめる人は誰もいない。」

最後までお読みいただきありがとうございます!