オリックス銀行の45年ローンって実際アリ?現役大家の正直な見解

こんにちは。草食系大家の中村ひろきです。

日本経済新聞から「オリックス銀行 45年不動産投資ローン 若年層取り込み」という記事が飛び込んできました。

内容をまとめると・・・

  • 取り扱いを開始したのは2018年5月以降
  • 築浅ワンルームの購入または借り換えが対象
  • ローン完済年齢は80才→85才未満に引き上げ
  • 団体信用保険の期間も延長
  • 公式HPに載っておらずまだ試験導入段階

つまり、39才までに開始すれば最長45年で融資が受けられるということ。

この融資を使わせて物件を売りたい不動産業者は「月々のキャッシュフローが増える」などと言っていますが、ぼくなら100%使いません。断言できます。

では早速ぼくが45年ローン使わない理由を3つに分けて説明します。

 

理由1:支払総額が大幅に増えるから

当たり前ですが、ローン年数が増えれば支払総額はアップします。

ここで、35年ローンと45年ローンの支払総額の違いをシミュレーションしてみましょう。

(ここでは修繕費や固定資産税などの諸経費がかからないものとします)

築10年の区分ワンルームマンションを「借入総額2,000万で金利2%」の条件で借りたとすると・・・

35年ローン
毎月返済額:約66,000円
支払総額:約27,800,000円

45年ローン
毎月返済額:約56,000円
支払総額:約30,300,000円

45年ローンにすると、月々の返済額は約1万円安くなりますが、支払総額は約250万円も高くなります。

250万あったら、トヨタのノアやヴォクシーが新車で買えるレベルです。

話はこれだけで終わりません。

たとえばこの物件が家賃66,000万円で貸せるスペックだとすると、営業マンはこういいます。

営業マン
35年ローンだと収支トントンですが、45年ローンだと黒字になりますよ!

たしかにそうですよね。45年ローンだと「66,000−56,000=10,000円」の毎月黒字になります。

しかし、築10年のマンションは、40年後も同じ家賃で貸せるでしょうか?

そんなわけはないので、11年目から家賃が1割下落、21年目から家賃が2割下落すると仮定して再計算します。

35年ローン
1〜10年目のキャッシュフロー:(66,000−66,000)×12ヶ月×10年=0円
11〜20年目のキャッシュフロー:(66,000×0.9−66,000)×12ヶ月×10年=▲79,2000円
21〜25年目のキャッシュフロー:(66,000×0.8−66,000)×12ヶ月×10年=▲1,584,000円
26〜35年目のキャッシュフロー:(66,000×0.8−66,000)×12ヶ月×10年=▲1,584,000円
36〜45年目のキャッシュフロー:(66,000×0.8)×12ヶ月×10年=6,336,000円

1〜45年の収支合計は(0-792,000-1,584,000-1,584,000+6,336,000)=2,376,000円・・・(A)

45年ローン

1〜10年目のキャッシュフロー:(66,000−56,000)×12ヶ月×10年=1,200,000円
11〜20年目のキャッシュフロー:(66,000×0.9−56,000)×12ヶ月×10年=408,000円
21〜25年目のキャッシュフロー:(66,000×0.8−56,000)×12ヶ月×10年=▲384,000円
26〜35年目のキャッシュフロー:(66,000×0.8−56,000)×12ヶ月×10年=▲384,000円
36〜45年目のキャッシュフロー:(66,000×0.8−56,000)×12ヶ月×10年=▲384,000円

1〜45年の収支合計は(1,200,000+408,000−38,4000−38,4000−38,4000)=456,000円・・・(B)

35年ローンの場合、10年目まではプラマイゼロですが、35年で完済でき、36年目からはまるまる毎月66,000円が入ってきます。

45年ローンの場合、毎月返済額が少ないため20年目まで毎月黒字ですが、21年目から45年目まではマイナスが続きます。

結果的に45年が経つと、35年ローンで借りたほうが「(A)−(B)=192万」も手残りが多くなる計算です・・・!!

45年ローンで借りても、利益を先に受け取るだけで、結局は利息で利益の大部分が削られる始末なのです。

ひろき
営業マンのセールストークは木を見て森を見ずだよね!

 

理由2:物件価格が割高になるから

みなさんは不動産の価格が何によって決まるかご存知ですか?

もちろん「路線価」や「固定資産税評価額」といった公的な指標もひとつなんですが、それだけではありません。

売主や買主の個人的な事情や、社会情勢によっても、価格は大きく変わるのです。

(コンビニで250円のビールだって、球場だと800円したりしますよね。)

とくに不動産の価格が大きく変動する要因となるもの。それが融資です。

ここで先ほどの2,000万の区分ワンルームマンションに登場してもらいましょう。

あなたはこのマンションを現金で購入することができるでしょうか?

おそらく答えは「NO」でしょう。

しかし、45年ローンが使えて「月々56,000万円の支払い」で済むならどうでしょう。

だれかに貸して毎月66,000円の家賃収入が得られるなら、買う人が現れてきそうです。

そう、ヒトは「支払総額」よりも「月々の支払額」を重視する生き物なのです。

(車やスマホの分割払いをイメージすればおわかりいただけると思います)

そして、支払総額に無関心になった投資家につけ込んでくるのが不動産業者。

35年ローンしか出ないときは買い手が少なかった2,000万のマンションも、45年ローンなら買える人が増えます。

すると、たとえ2,500万に値上げしても買いたいという人が出てくるようになるんですね。

つまり、今まで買えなかった人が買えるローン商品が出てくると、物件価格は割高になりやすいということ。

低所得者層向けのサブプライムローンなどはまさにこの典型例。

そして、割高物件を買ってしまって起こる悲劇は次章に続きます。

ひろき
不動産投資で一番大事なのは物件を安く仕入れることなんだよなぁ。

 

理由3:買値以上で売れないから

アキラくん
ゆるいローンで2,500万のマンションを買った人はどうなるの?

融資は時代サイクルで循環していますから、やがて融資の引き締めが起こります。

融資が出なければ物件を買える人がいなくなるので、一気に売りづらくなります。

そもそも「2,500万」というスペックに見合わない割高価格で仕入れているので、それ以上の価格で売ることは困難。

そこで安く買い叩くハメになり、保有中のキャッシュフローが吹き飛ぶという未来が容易に想像できます。

信じられない話だと思いますが、実際にバブルで起こる悲劇は全部このパターン。歴史は繰り返すのです。

 

あなたの物件は高値でつかまされていないか?

45年ローンでなくとも、たとえば築30年くらいのマンションを35年ローンとかで持っている方は要注意です。

ローン年数を薄く引き伸ばしたおかげで今は毎月黒字キャッシュフローかもしれませんが、最後に二束三文でしか売れなくて保有中の利益が吹き飛ぶという未来は、想像しておいてもバチは当たらないでしょう。

今はまだ売る決心がつかないとしても、とりあえず売却査定の「HOME4U」などで現在の査定額を知っておいて損はありません。

1分後には最大6社に査定依頼が完了し、早くて翌日に査定額が判明します。

(ぼくも松本の物件を査定してもらったのですが、しつこい迷惑電話は意外にもありませんでした。)

あなたの物件査定額が思った以上に安くて驚き、一刻も早く売却に向けて動き出す人が増えることを望んでいます!

そいではまた〜〜!!

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中村ひろき


32歳/週4サラリーマン。ハーレーに乗りながら名古屋と長野で二拠点生活してます!不動産投資の経験ゼロの方が1軒目を買うまでのノウハウを発信中。岐阜と長野に計2軒の中古戸建を所有しています。『中村ひろき公式ブログ』も運営中!

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